生命の危険があるような患者に対して適切な看護スキルを持って対処し、最終的には患者が助かるというストーリーに憧れを持つ看護師は多いでしょう。救急救命で働いて活躍するのを夢に抱いていると、フライトナースに憧れを持つことがあります。救急車で運ばれてきた患者を受け入れるのとは異なり、現場にドクターヘリで直接駆けつけて適切な対応を行い、病院まで来たら申し送りをして緊急手術などを任せるという仕事が一連の流れです。現場にたどり着いてから瞬時に判断をして正しい処置を施せなければならない大変さがあるものの、それによって患者が助かっていく様子を想像するとやりがいがあると言えるでしょう。
しかし、現実的には高いスキルと経験が必要になるため、フライトナースになるためには何年もの現場経験が不可欠です。多くの事例では救急センターに所属して5年から10年程度の経験を積み、ようやくドクターヘリに医師と2人だけで乗り込んで現場に向かえるレベルに到達するようになっています。基本スキルがあるだけでは不十分であり、様々な症例を経験していなければなりません。電話越しの情報だけで現場の様子を判断して考えながら現場に向かうことも必要になるため、ドクターヘリに乗った経験が多い看護師ほど再度フライト出勤を任されることになりがちです。キャリアを積み上げなければなれないことから、補助的に救急救命士の資格を取得して準備をしておく人もいます。このように経験と高いスキルは必要ですが、フライトナースとして医療現場で活躍する看護師になりたいのであれば日々スキルアップをしていくべきでしょう。